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認定NPO法人地球市民の会

2018/11/12

「幸せの種の宅配便」
世界中の全てのものの幸せを感じられる社会づくりのために

 経済的に豊かである先進国でさえ、学校に行けない子どもがいたり、教育や職業機会や、十分な食料や医療、安心できる住居が得られなかったりする。また、自然災害などのために困っている人などもたくさんいる。

 認定NPO 法人地球市民の会は、課題解決のために、地元の方々と一緒に活動する団体だ。人と人との繋がりを創造して活動している。

幸せの種を世界中に広め

 認定NPO法人地球市民の会は、「全人類の平和なくして国家の平和も個人の真の幸福もあり得ない」という理念のもと故・古賀武夫氏によって1983年に設立された。国内外問わず各地域で国際交流や国際協力、地球共感教育や地域づくりなど様々な活動を行っている。

 例えば、ミャンマーでは循環型社会を創造するプロジェクト。農薬の大量散布による農業従事者の健康被害をなくし食の安全の確保と付加価値のある農産物を販売することによる収入増を目指し、農薬や化学肥料を使わない循環型農業の普及に尽力している。

 また、国内の事業では2012年からは「夏休みふるさとステイ」があり、毎年、福岡・佐賀県内の小学生が佐賀市の山間地域を訪れて自然体験や地域の方々と交流を行っている。

「日本人はバナナか!」

 認定NPO法人 地球市民の会の活動の原点は、あるタイでの出来事だった。欧米の方針にばかり気をとられアジアの現状に目を向けなかったバブル経済に湧く日本を思い、「日本人はバナナか!」という言葉が関係者に投げかけられた。見かけは黄色人種でも、中身は欧米の白い実のようだ、という意味だ。

 そこで1986年にタイを訪れ、そこで出会ったのは、生活の貧しさや教育の惨状の一方、子どもたちの屈託のない笑顔や心の豊かさだった。世界中からたくさんの精神的な応援と物質的な支援を預かって、困っていたり、悲しんでいる人に届けることで、誰かの幸せを自分の幸せのように感じられる人を増やしたい。
この時の思いが、「幸せの種の宅配便」として、日本もアジアでも困っていたり、つらかったり、悲しかったりする人たちに幸せの種を届ける地球市民の会の大切なミッションになった。

 この宅配便はお金を得ることが利益ではなく、世界中の全ての人の幸せを感じられることが利益だ。経済的な利益より貴重で、全世界の幸せのための支援活動、国際交流活動を実践するきっかけを作るものだ。

 「人権とは、人を幸せにする権利」「させていただく支援、させていただく協力」「人間は誰しも同じ」という古賀氏の3つの語録。同じアジア人、地球人だからこそ、あらゆる課題を“お互い様の精神”で、”我がこと”の様に思って解決しようという思いがこめられている。

佐賀だからできること、やる価値があること

 現在、事務局長を務める岩永清邦さん。
 1983年に佐賀県鹿島市生まれ。高校卒業後、福岡の大学に通うごく普通の大学生だった岩永さんは、大学卒業後、青年海外協力隊として中国に派遣されたことが転機になる。

 大学卒業を控え、どんな仕事でも、適応能力やコミュニケーション能力が求められると考えた岩永さん。そうしたスキルを自分の知らない土地でもがきながら修得したいと考え、協力隊を選んだ。中国では主に野球を現地の子どもたちに指導するのが役目だったが、岩永さんが目の当たりにしたのは現地の人々の「地域愛」「家族愛」の深さだった。

 海外に出たことで得た地元佐賀の「コミュニティの力」に目を向けるきっかけ。様々な情報が集まり常に更新されていく都会のスピード感や規模は魅力的だろう。しかし、佐賀だからこそやる価値があることや、佐賀だからこそできることがあると考え、帰国後はふるさと佐賀に戻った。

異文化×異文化=化学反応

 2018年、設立35年目を迎えた地球市民の会。これまでに着実な積み上げにより行政や各企業からの確かな信頼と社会的地位を得ることができている。こうした信頼関係は新しい取組を始めるときに大きなプラスになる。実は、岩永さんと地球市民の会との繋がりも既に中国での活動中からあった。野球用のユニフォームを提供してくれたのが同団体であった。佐賀に根付いて地域貢献活動を実施しているという認識があり、帰国後に同団体の一員となった。

 現在の活動の軸は、佐賀の地で国際交流を進めて行くことだ。異文化と異文化が交わることによって、これまでになかった何かが創造される「化学反応」がたくさん生まれる場を作りたいと考えている。
佐賀の魅力は?の問いに、岩永さんは「『人』です」ときっぱり。会いたい人に会える距離の近さ、チャレンジを応援する温かい土壌がある。

 「今後は、子どもの支援や防災の分野に注力をしていきたい。そして佐賀を出なくても、魅力的な仕事に出会えたり、起業ができる土壌を作りたい」と意気込む岩永さん。自身も一家の大黒柱として家族を養いながら、まさにそのモデルになろうとしている。

サガストEyes 「佐賀インターナショナル・ゲストハウスHAGAKURE」

 地球市民の会事務局長の他に、「佐賀インターナショナル・ゲストハウスHAGAKURE」の社長、公益財団法人 佐賀未来創造基金の理事など、複数の役目を兼任する岩永さん。様々な役目を担う上で大切にしていることは、自分に何をしてもらえるかという姿勢ではなく、自分が人のために何ができるかを考えて行動することと話す。

 帰国後、佐賀で携わった仕事の中でも特に思い出深いものとして、ゲストハウスHAGAKUREの立ち上げがある。

 ゲストハウスHAGAKUREは2017年春にオープンした佐賀県初のドミトリー型のゲストハウス。1階はアルコールも提供できるバー兼コミュニティスペースになっており、佐賀に滞在する海外からのお客様や、近隣の方々、岩永さんと同じように地域活性に奔走する方々が集い賑やかに語らっている。
ゲストハウスの設立に際し、佐賀県内の経営者含めて数多くの方々の出資や寄付があった。応援してくれた方々の思いをしっかり受けて、佐賀のためによりよい集いの場にしていきたい。“自分が人のために何ができるか”、今の活動の原動力がここにある。

取材後記  幸せの価値観

 前に 私が持っていた幸福に関する価値観とは個人の幸せを追求して、最大の快楽を手に入れ、平穏無事に暮らす事だった。もちろん誰でも自由に個人の幸せを追求しているはずだ。だが、幸福というのはなんだろうか、ずっと考えていた。実は、この世界で幸福の本質を知っている人は何人いるだろうか。今の私は以前思っていたよりもっと大きな幸せを見いだした。他人のために尽くせば、自分も幸せになるはずだ。出会いは奇跡だ。支援者も困難な方々も「縁」を大切にし、一億一心お互いに協力すれば、偉大なことができるだろう。皆さん、地球市民の会と一緒に幸せの種を、世界中に広めませんか?

(西九州大学 グェン・ティ・ランチャン / 西九州大学 レ・ティ・ラン・フォン)

会社概要

他の人の幸せを自分の幸せとして感じられる人=地球市民となること

 国際交流・国際協力活動を通じて、世界の平和と親善に貢献し、あわせて地域社会の向上発展に寄与することを目的として佐賀で活動している。

 国際協力はタイ、スリランカの奨学金を通した教育支援、ミャンマーの村落開発・農業支援・教育支援・環境保全のそれぞれの事業を実施している。また、国際交流事業としてホームステイ事業や各種受け入れ事業も実施している。

 日本国内では中山間地の過疎にある集落での開発事業を実施しており、海外と国内の同時進行的なプロジェクトを実施している。キーワードは「循環型共生社会」。参加と自立発展による実現を目指している。

事業者名 認定NPO法人地球市民の会
代表者 山口 久臣
電話番号 0952-24-3334
本社所在地 佐賀県佐賀市高木町3-10

ホームページ

http://www.terrapeople.or.jp/

サガ電子工業株式会社

2018/11/07

温故創新 古きを知り、学ぶことが、未来の革新へとつながる

古風な雰囲気溢れる木造建築から生み出される「アンテナ」という近代的技術。
一見ミスマッチにも思えるその背景には、沢山の工夫や思いが隠れている。
アンテナ製造会社「サガ電子工業株式会社」。

アンテナは不滅の産業

 スマートフォン、パソコン、テレビなど、電波を送受信するものには全てアンテナが使われている。電波を送受信し、それを電気エネルギーに換えてデータのやりとりをするというアンテナのシステムは、現代社会に根付くものであり、アンテナの需要が無くなるのは、この社会の仕組みを根底から覆すような革命が起きたときである。そういう意味で「アンテナは不滅の産業です」と、サガ電子工業株式会社代表取締役の小柳謙治さんは語る。

 サガ電子工業の代表的な製品である「アローラインアンテナ」は全国のキーステーション(日本の民放放送におけるネットワークの中心である放送局)で使用されており、また他に、電子マネー決済タイプの自動販売機、EMCアンテナ、GPSを利用した動体管理(建設機械等)などにも利用されている。そんなサガ電子工業が、現在アンテナを作る上で重要視していることの一つに製造コストの低下がある。そのコスト低下のための工夫が同社の特徴である木造建築の社屋につながる。

木造社屋へのこだわり

 会社を訪問した際、仕事場を訪れると、製造業の現場のイメージが覆される。非常に温かみのある古民家風の建物で、工場内は木造建築になっていた。実はサガ電子工業の社屋は酒蔵、米蔵、納屋を移築した木造建物なのだ。一体なぜ仕事場としてこのような建物を選んだのか。

「人間の健康のためにもエアコンなどのように人工的な涼しさや暖かさではなく、より自然に近い快適な環境の職場作りを目指している」。

と話す小柳さんには、職場環境に対する強い思いがある。取材を行った日は8月9日。まさに猛暑のまっただ中だったわけだが、確かに涼をとる工夫が沢山施されていた。

 例えば土壁による室内の調温効果であったり、瓦屋根の上のスプリンクラーで打ち水を行っていたり、今では珍しい井戸水をくみ上げて涼風を得る井戸水クーラーを使っていたりと、なるべくエアコンを使わない省エネの姿勢がそこに現れていた。また冬には薪を組み、暖炉で遠赤外線による暖を得ると言う。その効果は自然の涼しさ、暖かさを得られるだけで無く、消費電力量の節約にも影響を与える。消費電力を抑えることが先ほど挙げた製造コストの低下をもたらす。

 現在、商品の価格を抑えるために様々な企業が試行錯誤している。製造コストには材料費、人件費、設備費、光熱費などが含まれる。その中で、サガ電子工業では光熱費の節約を行い、商品の価格低下を実現しているということだ。このようにサガ電子工業の社屋は「自然に近い快適な空間」、「消費電力の節約」を重視した造りになっている。

仕事と遊びの両立

 社員の方にとって、ずばり働く上で、他の会社にはないサガ電子工業の魅力とは何か。社員の方が共通して挙げたのは「休日」に関してだった。サガ電子工業は土日が休みであり、かつ有給がとりやすいそうだ。これは、小柳さんの「仕事だけでなく、遊びも必要である」という理念が関係している。

 また、「職場環境」を挙げる方もいた。温度や湿度の快適さだけでなく、木造建築ならではの落ち着いた空間、スギの香りのリラックス効果により作業に集中できるようだ。社内の人間関係も良好であり、社員同士がお互いに良い距離感で仕事が出来ていると言う。

小柳さんが見ているもの

 小柳さんが取材中に教えてくれたことの一つに、「万象我が師」と言う言葉がある。

「森羅万象全てのことから学ぶべきことがあり、学ぶ姿勢を忘れないようにしています。」

小柳さん自身、仕事の中からだけで無く、余暇時間からも得るものがあるそうだ。

 小柳さんは、1996年に前社長である父親からサガ電子工業を受け継いだ。当時、実は小柳さんはどちらかといえば他をあまり寄せ付けない性格だったという。

 小柳さんが42歳(2008年)の時、がんが見つかる。そこから一種のあきらめに似た感情を覚えたそうだ。ある意味開き直り自分を見直すことで、人を認め、人により感謝する機会が増えた。

 また社長として会社を運営するに当たって重要なことは何か聞いてみた。

「売り上げだけが全てじゃないんです。中身も大事。」

中身というのは商品の品質、不具合や不良品の少なさ、作る過程などを意味している。

「何かキラッと光るものがある。そういう会社作りを目指しています。この会社で働きたいと思う人が増えると嬉しい。」

 さらに「社員の主体性も大事にしています。人間一人ひとりに出来ることと出来ないことがある。相手のことをきちんと受け止めることも必要です」とも話していた。対人関係、特に社員の方とのコミュニケーションにも様々な工夫を用いて気を配っている。

 このように小柳さんが重要視しているのは単に製品の販売だけでは無い。製品を作る上でのバッググラウンドにも着眼点を置いている。

サガストEyes 「エゴグラム診断により社内の人間関係を円滑化」

 元々対人関係は苦手だったという小柳さん。そんな小柳さんががんの発覚とは別に、人間関係に前向きになった具体的な出来事の一つを話してくれた。それは人と電話した際にスピーカー越しに自分の声を聞き、「自分の声に違和感がある。」と思ったときだ。このような経験をされた方は多いのではないだろうか。小柳さんの場合、自身の想像よりぶっきらぼうで暗い声に聞こえたという。これは駄目だと思い、そこから人との接し方を見直し始めた。そんな小柳さんは会社で、人と接する上での工夫をしている。

 皆さんは「エゴグラム診断(MET)」というのを知っているだろうか。簡単に言えば、用意された質問の答え方によりその人がどのような性格なのかをタイプ別に判断するものである。サガ電子工業の社員の方はこの診断を受けている。どのような人かを知ることで、その相手によった配慮、向き不向きなどを考慮できる。これにより小柳さんは社員の方との、また社員の方同士のコミュニケーションを円滑にしている。

取材後記  今回の活動で学べたこと

 私自身、就職というものに関して深く考える機会が少なく、将来に対して多少の不安をかかえていた中で、この活動に参加しました。実際に働いている方々の話を直に聞けたことにより、僕自身の経験値になるだけで無く、何か自分の中にある不安が取り除けた気がしました。それは仕事というものがより身近に感じられるようになったからです。

 また取材という形で人と話すということは私にとって初めてであり、段取り含め取材に関して、自分自身に足りない部分が沢山ありました。しかし初めてのこと、不慣れなことを一つやりきることが出来たのは自分の自信につながりました。今後就職活動の際にこの経験をうまく生かせるようにしたいと思います。

(文責:佐賀大学3年 有友拓海)

会社概要

昔ながらの木造建築で造るアンテナ

 サガ電子工業株式会社は主にアンテナの製造、販売を行う。1970年に創業者である小柳襄治氏が創業開始。1974年、法人化し「サガ電子工業株式会社」となる。1996年、小柳襄治氏の息子である小柳謙治氏が代表取締役に就任する。
サガ電子工業の代表的な製品として「アローラインアンテナ」が挙げられる。「アローライン」と言う名前は「矢のように」電波を飛ばすイメージからきており、現在、東京のキーステーションをはじめ、全国の放送局で使用されている。また他に、サガ電子工業のアンテナは、電子マネー決済タイプの自動販売機、EMCアンテナ、GPSを利用した動体管理(建設機械等)などに利用されている。

 現在の社屋は酒蔵、米蔵、納屋を移築した木造の建物であり、2013年に完成した。建設には地元佐賀の職人、近隣の小学生、パートの方が携わった。またこの建設で新しく使用した木材のほとんどは佐賀県産のスギであり、地産地消の建築物となっている。

事業者名 サガ電子工業株式会社
代表者 小柳 謙治
電話番号 0952-37-8805
本社所在地 佐賀県佐賀市久保泉町下和泉1958-14

ホームページ

http://www.sagant.co.jp/about-us/

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