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株式会社ティックワールド

2018/11/07

お客様に寄り添った靴づくりを目指して

人の生活を支える要である足。そのような足をサポートする靴と正面から向き合い、様々な工夫を施こしていく姿がティックワールドにあった。

「足に優しく人に優しい」靴づくりをコンセプトに

 株式会社ティックワールドは、佐賀と福岡を中心に靴工房ジャンボを展開する。佐賀市富士町の大自然の中、「足に優しく人に優しい」靴づくりをコンセプトに靴のデザインから生産、販売まで手がけている企業だ。1992年の設立以降12店舗を展開中。

 創立者である田村繁幸さんは大学卒業後、靴工場に就職した。その後イタリアの老舗紳士靴メーカーを訪れ、靴作りの技術と、靴に対する真剣な思いに大きな衝撃を受ける。いつかここで見たような靴や工場を作りたいという思いを糧に修行を重ね、52歳で神戸の地で開業した。

 最初はデザインのみを行い、他社の工場で靴を作ってもらっていたが、どうしても思い描いた靴が出来なかった。そんな中、阪神大震災が発生する。これを契機に自前の靴工場設立のため神戸を引き払い、自然豊かな佐賀に工場を設立。同時に新しい機械やシステムを導入していった。

 ティックワールドは婦人靴を専門としている、特徴はシンプルなデザインであること、高級素材の本革を使っていること、そして何より履き心地が良く機能性豊かなところである。

 靴だけでなく職場環境にも力を入れている。ティックワールドの工場は従業員を慮って広めに設計されており、ストレスの少ない職場の形成に余念がない。良質なものはよい環境の中で生み出されていく。これは靴づくりだけに留まらないだろう。

人とのつながり

 取締役社長の安藤眞弓さん。高校生だった当時、流行していたカタカナ職業に憧れてデザイナーになった。東京の専門学校に通うため上京し、卒業後は神戸の靴製造メーカーに就職。そこでのちのティックワールドの創設者である田村繁幸さんに出会った。その後再び東京に戻り靴問屋で靴の修行を重ねたが、元上司であった田村さんが開業すると聞いて合流。株式会社ティックワールドのメンバーとなり、その中で唯一問屋での仕事の経験があったことから、デザイナーではなく店舗の統轄を任せられた。

 しかしこれまでデザインがメインだった安藤さんは、お客様の声が届いていない製作側と、靴のことを詳しく知らない販売側との溝に気づく。そのような社員たちをまとめあげるため心理学などを本から学んだ。さらに社内での情報共有を活発にしようと考え、自ら製作側と販売側を結びつけるパイプ役となり、社員たちのモチベーションを引き上げていった。それが功を奏し、関係は改善。店先でのコミュニケーションを重視し、それらを視野に入れた靴作りを心掛けるようになった。こうしてティックワールドの靴に対する真剣な姿勢と、いかにお客様の心をキャッチするか考え抜く姿勢は、安藤さんの下で確立されたのだ。 

機能性の重視

 ティックワールドは「機能性」を第一のコンセプトとしている。履き心地を良くするために靴の形状に適した革素材を使用したり、紐やアクセサリーが引っ掛かって転ぶ様なことがないようアクセサリーを少なくしたシンプルなデザインを心がけるなど、常に工夫し続けている。さらに、カラーバリエーションも豊かで、お客様の目も楽しませるところも大きな特徴だ。また、他の靴屋ではなかなか対応できない足型にも対応し、多様なニーズに適した靴の提供にも力を注いでいる。

 靴の役目は足の防護と足の機能のサポート、そして自分を美しく見せることにある。靴は歩く上で欠かせないものなのだ。しかし「近年は着飾るものとしての靴から道具としての靴を求める人々が増えた」と安藤社長は話す。市場には低価格を重視した商品が出回り、さらにインターネットで店に赴かずとも気軽に靴が買えるようになった。道具としての機能性を損なわない良質な靴としての価値を維持しつつ、安価な靴と競合できるかかが今後の課題だ。

第二の心臓

 足は、足腰に滞りやすい血液を筋収縮によって心臓に送り返すことから「第二の心臓」とも呼ばれており、人が活動するための要であると同時にエネルギーの循環を促進させる要でもあるのだ。通信販売や車社会の普及は、そのような足の機能を奪うようになってきた。

 しかしティックワールドでは、インターネット上での販売を行っているにも関わらず、わざわざ店に足を運んで靴を求めに来る客足があまり変わっていない。それは販売先でのお客様とのコミュニケーションを基本として靴づくりを行い続けた結果だった。ICTやAIなどを中心としたシステムへと塗り替えられつつある社会だからこそ逆に、人の温もりを感じたいと思う人もいるのだろう。これからも「この人と話したいから」、「ここの靴がとても良質で、見た目も良いから」といった理由でやって来る人たちとの交流を第一とした靴づくりや販売を目指す。 ティックワールドの「足に優しく人に優しい」靴づりから今後も目が離せない。

サガストEyes 「デザインすることの難しさ」

 ここティックワールドでは色々な経歴を持った人が靴を作っている。例えば、元々学習塾の事務をしていた大石絢子さん。大石さんは何かクリエイティブな仕事をしたいと思い身近な物を探っていたところ、当時履いていたティックワールドの靴に興味を持ったのがきっかけ。単身、富士町の工場に赴き、当時社長だった田村さんに経緯を話しここで働きたいとの旨を伝えるとその場で入社決定。当然靴作りの経験は全くなかったが、色々な人から刺激を受け、教えられながら技術を身に付けていった。

 靴づくりは当然デザインから始まる。前述したコンセプトの下、機能性や履き心地を第一に最も適している素材を模索しながら、できるだけシンプルな造りにする。しかしそれだけでは履く人のニーズに応えられているとは言えない。「このシンプルさの中に斬新なアイデアを盛り込み、新しく魅せることが大切で一番難しいところだ」と大石さんは話す。

取材後記  素敵な「当たり前」を大切に

 これまで私は靴を選ぶときに、安さばかりに気をとられていて、靴の機能性についてはほとんど意識が及びませんでした。今回の取材を経て、日常生活での靴の大切さやそれを支える靴づくりの奥深さなど、たくさんの靴の魅力に気づかされました。靴に限らず、日常生活を支える多くのものが「当たり前」としてそこにあります。しかし、その背景にはつくった方々の情熱、努力、苦労、知恵や工夫といったドラマがありました。

 ティックワールドさんには、「当たり前」の素敵さを教えていただきました。私も今後の学生生活で、自分なりの素敵さをつくり出せるよう、じっくり取り組んでいきたいと思います。

 お忙しい中取材に応じてくださったティックワールドの皆様、本当にありがとうございました。

(文責:西九州大学心理カウンセリング学科1年 徳永 孟士)

会社概要

コンセプトは「足に優しく人に優しい」靴づくり。大切なのはお客様の声!

 1990年に神戸で開業し、1992年に法人化。開業当初は靴のデザインのみを行い制作を行っていなかったが、理想の靴が作れず、阪神淡路大震災後に神戸を引き払い、佐賀市富士町に工場を設立。本社もそこに移転した。以来、デザイン、生産、販売まで一貫して行っている。富士町の大自然の中、「足に優しく人に優しい」をコンセプトに、、顧客の声を積極的に取り入れた靴作りを心がけている。インターネット上でも靴の販売は行っている。

事業者名 株式会社ティックワールド
代表者 田村 繁幸
電話番号 0952-64-2777
本社所在地 佐賀県佐賀市富士町大字上熊川字苗代676-8

ホームページ

http://www.tw-jumbo.co.jp/

株式会社大橋

2018/11/07

激動の社会で100年企業を目指す

2018年、創業30年を迎えた株式会社大橋。
時代を読み、今日まで大きく成長を遂げてきた大橋社長の想いや魅力に迫る。

ゴルフ場の管理から始まった株式会社大橋

 株式会社大橋は、環境機器、農林業機械、産業機械の研究開発及び製造、販売、輸出入業務などの機械事業が主な事業内容としており、現在では木材粉砕機の製造は国内トップシェアを誇る。しかし、その始まりは意外なところにあった。

 株式会社大橋の創立は1980年代後半、日本経済が好景気だった時期。社長である大橋弘幸さんは当時ゴルフ場を整備する機械の販売を行っていた。当初は順調に売り上げを伸ばしていたが、バブル崩壊を受け、会社経営は難しくなっていった。経営の悪化は、赤字をどんどん増やしていくだけだった。その時、1997年に気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書が制定され、二酸化炭素の排出の規制が行われた。当然、日本政府は京都議定書に基づいて法律を制定し、二酸化炭素が排出される大きいゴミを燃やすことを禁止した。その影響で大きなものを小さくする粉砕機の需要が増えた。業種を変えることは危険な冒険だったが、大橋社長はそれを好機と思い、果敢に粉砕機産業に飛び込んだのだ。

 業種を変えても2年間は赤字だった。しかし、その選択で徐々に会社の経営が変わり、運命も変わった。赤字が解決され、会社がどんどん成長して行った。

各部署が連携した一貫体制できめ細やかな対応

 株式会社大橋の強みは、設計から生産、販売まで一貫した対応である。

 研究開発部門は、設計・試作から完成までの全プロセスに携わることで、製造工程のある一部分の専門家ではなく、真のスペシャリストを目指している。

 製造部門は、流れ作業ではなく、すべての組み立て工程を一人で担うことで、製品への責任と愛情を深め、製造への意欲と高品質へつなげる。

 営業部門は、豊富なラインナップからお客様に最適な製品を提案して実演を行う。お客様の声や要望の取りまとめを行い、品質向上に努める。部品サービス部門は、お客様に高性能を維持しながら長く使っていただくための修理・メインテナンスを行っている。不具合や故障の原因などお客様の声を活かし次の展開へつなげていく。品質管理部門では品質管理や部品サービス部門に寄せられた希望をもとにミーティングを重ね社内での情報共有を徹底する。

 新製品開発やサービスの向上はお客様の声から生まれると考えているのだ。この一貫体制でお客様の要望を充足し、他社の粉砕機よりもっと優れた製品を作ることが出来る。

求める姿勢「3現主義」とは

 経営方針として大橋社長が謳っている言葉に“現場、現物、現実”という意味の「3現主義」がある。

 当たり前のことを当たり前にすること、積極的に問題を感じて確実に行動すること、仕事の時に些細な部分を気付けること等の物事に対する態度を指す。大橋社長が「大学を卒業しても新しく学ばなければいけないことは多い。教えてもらう姿勢も大切です」と話すように、漫然とした態度ではなく、集中力を維持しつつ物事に前のめりに取り組む姿勢を求めている。また、広く情報を得るためのアンテナを張り、挑戦を恐れないことも大事な態度だと語った。

絶対変わらない株式会社大橋の経営理念やビジョン

 大橋社長が追求している経営理念は「お役に立つ」ことだ。それはつまり、世の中のニーズに応じて柔軟に変化することだ。そのためには、少子高齢化が進み縮小する日本国内の市場だけに依存するのではなく積極的に販売市場を確保するために海外進出をしていく。現在、株式会社大橋はヨーロッパに進出していて、来年にはASEANであるベトナムに進出する予定だ。
また、バイオマスエネルギーの活用にも積極的に取り組む予定だ。バイオマスエネルギーとは主に植物から抽出物質のことで既存のエネルギーより環境に優しい。持続可能な社会の実現に向けて、現代社会のエネルギー問題を解決するために企業としても努力している。
昭和63年創業、今年30周年を迎えた。100年企業を目指す株式会社大橋の根底にある「お役に立つ」精神は、3現主義に基づいた丁寧な対応と、時代の変化に対応しその時代の人が何を求めているか見極め、時には思い切ってチャレンジする果敢さであった。

サガストEyes 「“持続可能な社会”へ」

 株式会社大橋の粉砕機で作れるチップには木材チップや竹チップがある。粉砕スピードが速ければチップが大きくなり、遅かったら細かくなり、更に遅くなると粉になる。このように作られた木材チップや竹チップはマルチング材、堆肥、バイオマス燃料、土壌改良材、敷料、炭等を作るために利用されている。特にバイオマス燃料は農業用ビニールハウスや食品工場、ボイラーの燃料で石油の代わりに使われる。放置してしまうと使い道がなさそうな発生材でチップが作られ、そのチップでエネルギー問題や環境問題等が解決できるのだ。ちなみに、竹チップは株式会社大橋が最初に作った。

 現在企画室で仕事をしている田川大悟さん。大学で情報機器について学んだ田川さんは、入社後5年間は製品の研究開発を行う部署に配属され、時には深夜まで研究を続けた日々もあったそう。「入社してすぐは仕事を覚えることやお客様の対応に必死でした。一番大変な時期だったのですが、そのころの積み重ねが今の礎になっています」と笑顔。社員一人ひとりの研究者魂が株式会社大橋のオリジナリティのある商品開発につながっているのだ。田川さんの目標は、IOT(「Internet of Things」の頭文字を取った単語で身の周りのあらゆる物がインターネットにつながる仕組み)産業に取り組むことだ。時代の変化に合わせて柔軟に。株式会社大橋の挑戦は今日も続いている。

取材後記  日本企業への就職を目指すにあたって

 私は韓国からの留学生です。外国人である私の拙い日本語でうまく聞き取りができるかの心配でした。メモをしながらのインタビューはとても難しくどのような言葉で話そうか考えすぎてなかなか言葉にできませんでした。しかし、取材に応じてくださった株式会社大橋の皆様は、何度も丁寧に教えてくださったことで、日本企業の業界現状もよく分かるようになって、今後の就職活動において参考になることもたくさんありました。日本企業に就職することを目指している私にとって、今回の活動は本当に難しく自分の足りない部分を気付けられて勉強を頑張らなければと思うことも多かったのですが、実際に日本で仕事をすることをイメージをしながらお話しを聞けたことは貴重な機会になりました。今後、どのような難しさが来ても乗り越える自分になるために、もっと頑張りたいです。

(西九州大学 社会福祉学科留学生 イ・ジュナム)

会社概要

設計から生産、販売まで一貫対応する株式会社大橋

 株式会社大橋は、環境機器・農林業機械・産業機械の研究開発及び製造、販売、輸出入業務を行う。現在日本国内における、粉砕機・チッパーシュレッダー業界で最も大きなシェアを占める。その背景には粉砕機・チッパーシュレッダー専門のメーカーとして、設計から生産、提案、販売、納品まですべて自社で一貫して行う生産体制や営業部門と完全自社工場による生産部門を兼ね備えていることがある。

 国内での販売数を伸ばしつつ、同時に海外への販売も視野に入れて展開を進めている。製品の種類は国内でもっとも多く、現在も騒音対策を施した新製品を開発中。更に。粉砕後の木材や竹を、バイオマスや堆肥などとして利用したいというニーズに応えるために情報の収集及び提供をしている。

 お客様の廃棄物の削減や植物由来の資源であるバイオマスエネルギーの利用により、粉砕機・チッパーシュレッダーを通した、循環型社会への貢献を実現している。

事業者名 株式会社大橋
代表者 大橋 弘幸
電話番号 0952-64-2777
本社所在地 佐賀県神埼市千代田町﨑村401

ホームページ

http://www.ohashi-inc.com/

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