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PICFA(ピクファ) (医)清明会 障害福祉サービス事業所

2019/10/01

チャレンジドの挑戦を追ってみた

 障がいを持っている人という意味の言葉「チャレンジド」。障がいを持った人がアートなどの創作活動を仕事とするPICFA。表現することを得意とする人々が、多くの企業とコラボ。知られざるPICFAの魅力に迫る。

「福祉の既成概念を変えたい」

 「福祉の概念を変えたい」そう熱く語るのは、PICFAの代表・原田啓之さんだ。10代の頃からスポーツ万能で高校時代にはテニスで春の大会で全国優勝という輝かしい実績を残しながらも、スポーツの道に進まず福祉の道に進んだ。その背景には、原田さんの兄に知的障がいがあったため、幼い頃からボランティア活動などを積極的に行ってきたことがある。その中で、「福祉とは何か?」「幸せとは何か?」などについて疑問を持つようになり、障がい者施設の働く環境を変えたい、安い工賃でしか働けない仕組みを改善したいという思いを胸に積極的に福祉活動に参加してきた。

 施設名のPICFAはPICTURE(絵画)とWELFARE(福祉)の造語である。創作活動と福祉の両方を追い求めるという意味だ。この経営方針は学生時代から思い描いていたそう。原田さんは日本福祉大学卒業後、音楽とアートを仕事にする福岡市の障がい福祉サービス事業所JOY倶楽部に2016年まで勤務。福祉と創作活動、社会とのつながりをより独自の発想で推し進めることができないかと模索していた時、医療法人清明会から打診を受け、2017年7月にきやま鹿毛医院内にPICFAを設立した。

交流の場を大切に

 きやま鹿毛医院内には内科の透析の医療、PICFAの障がい者、介護保険事業のC型のアザレア、託児所がありすべて一本の廊下でつながっている。

 PICFAの施設形態は、障がい者就労支援B型事業所。B型は障がいや難病のある方など企業等で雇用契約を結んで働くことが困難な方が就労訓練を行うことができる福祉サービス。きやま鹿毛医院にはPICFAの他にも国の方針として、「65歳以上の元気な高齢者は元気なままでいられるように」と高齢者の体力維持増進のために作られた介護予防通所型サービスC型施設「アザレア」がある。またその隣には、病院の職員が利用できる託児所も併設。利用者層の異なる事業が同一の医院にあることで、様々な人とコミュニケーションが可能になり、利用者が何事にも安心してチャレンジできる環境になっているのだ。この仕掛人もまたPICFAだ。

 医療と福祉の両面に力を入れるために医院内に障がい者施設を設けたことは日本で初めての事であった。また、通所型サービスC型事業所は概ね3か月程度と期限を決めて集中的に介護保険サービスを受ける目的で設置されているため、期限後も利用は想定されていない。しかし、月謝を支払ってでも利用したいといいう人の声を受け、厚労省にも確認を行い引き続き利用ができる仕組み作りを行った。このことも前例にない取り組みであった。

「アート」だけでなく「人生」も広がるように

 PICFAでは「できないこと」を前提とするのではなく、「できること」を起点とした考え方を大切にしている。創作活動は主に、絵画や刺繍などが多いが、創作活動の過程に生活上のスキルアップができるポイントをいかに入れていくかということを利用者とともに日々チャレンジしている。例えば、絵の具のパレットをきれいに洗うことができれば、自宅のお皿を洗うことも同様に簡単にできるようになる。このように創作活動で身に付けた一つひとつの動作を日常生活につなげるということができるのだ。また、様々な人との関係性を育み、利用者自身が社会的な存在になるための働きかけも行う。その一つの例が、利用者の通勤もスキルアップの一環としていることだ。15名の利用者の中には、公共交通機関を利用して出勤することが困難な人もいる。しかし、「失敗して学ぶ」を大切にしているため、送迎は行っていない。困っている人が目の前にいるとき、周りの人がどう支援を行うのか?またどう助けるのか周りの人にも学んでほしいのだ。創作活動全般を通して利用者はもちろん社会全体のスキルアップを目指している。

共生できる社会の実現を目指して

 原田さんの目標はPICFAの施設の前にある小・中学校の子どもたちが遊びに来てくれるような場所にすることだ。「施設の入り口に様々な作家の絵を展示できるギャラリー、カフェや駄菓子屋を作りたい。」と原田さんは話す。施設に遊びに来た子どもたちはお金の計算が苦手な障がい者の方が目の前で計算ミスをしたときにどうするのか。「教養を学べる場となり子どもたちの福祉観や教養に繋がると嬉しい。」利用者の中には国立大を卒業して子どもに勉強を教えることができる人もいる。利用者の特性を生かし、子どもたちとの交流の場を増やす。コミュニケーションが苦手だった人も地域の人が遊びにきたり作品についての新聞取材を受けたりするにつれコミュニケーションがとれるようになり明るくなったそうだ。様々な手段や方法での苦手を強みに変えることに大きく関わっている。休暇期間に、多くの子どもがこの施設に遊びに来たり勉強しに来たりして、いろいろな人と関われる機会を今以上に増やし、障がい者と健常者がともに共生できる社会づくりを目指す。PICFAが誰でも気軽に訪れることができるコミュニティーの場となるように原田さんは日々奮闘する。

サガストEyes 「商品について」

 PICFAでは絵画制作及び販売、デザイン、ライブペイント、商品の販売など様々な企業とコラボしている。商品にはTシャツ、バック、PICFA缶、布缶バッチ、バンダナなどだけではなく、注文に応じてお客様の好みに合ったオリジナル商品を作ることもしている。県知事の名刺のデザイン、「逃げるは恥だが役に立つ」のドラマで使用されたブランドとPICFAのコラボ「エプロン」もある。

 また、他県での展覧会も積極的に実施している。2019年6月の下旬から鳥取県で行われた展覧会では50日目を会期初日として、50日間で描いた作品の経過も合わせて展示した。絵の描き方や日々の絵の進み方も見てもらったそうである。

 施設の中には数々の絵画や、商品が飾られている。色鉛筆で絵を描く人もいれば絵の具、刺繍など利用者の得意分野を生かして作業をしている人もいる。どの作品もその人らしさが表れているような絵画ばかりである。利用者の中には海外での展覧会で作品を出展したことがある人もいる。様々な企業とコラボしているが、「日本だけでなく活動の幅を海外にも広げていけたら」と原田さんは話す。

取材後記  取材を通して

 私は「サガスト!」を通して、多くの人と触れ合うことができました。私が取材したPICFAには様々な特性を持った利用者がおり、その特性を最大限に生かせる環境づくりが大切であると感じました。私が一番感動したのは絵画です。数々の素晴らしい絵画の作品は、私の想像を超えていました。一人一人個性豊かで、作品・クライアントに釘付けになりました。

 今回、「サガスト!」に参加したからこそ佐賀県の中にPICFAという素晴らしい障がい福祉サービスがあることを知ることができました。記事を通して、この施設をもっと多くの人に知ってもらい、全ての人が共生できる社会を実現しなければと強く思いました。

(佐賀女子短期大学 地域みらい学科1年 中山はな)

会社概要

「アート」で人と人とをつなぐ

 350年続く、医療法人清明会きやま鹿毛医院内に2017年7月にオープンしたPICFA。PICFAはPICTURE(絵画)+WELFARE(福祉)の造語。PICFAは医院内にできた日本初の障がい者就労支援B型事業所で、現在15名の利用者と5名のスタッフで活動しており、利用者の年齢層も幅広い。

 「アート」を中心とした創作活動をしており、多くの企業とコラボしている。2017年、株式会社日東電化工業とのコラボで化粧品パッケージを制作。2018年、佐賀県や福岡県でライブペインティングや販売。2019年、鳥取県で展覧会を実施。創作活動が「アート」だけでなく、「人生」にも広がるよう活動の幅を広げており、多岐にわたり活動中。B型事業所は「給料」ではなく「工賃」という。工賃とは施設で仕事をしてその売り上げをみんなで分配する施設。工賃の全国平均は約月1万3000円。しかし、PICFAは2万2000円利用者に渡すと決めている。

 一人一人の個性を見つけ、利用者みんなが輝ける場になっている。利用者の絵画は、原画販売、オリジナルの商品、ライブペイント、企業とのコラボなどに活用されている。近年では、基山町とコラボした作品や商品もあり、入学祝として町内の全小学一年生に配布する図書バックのデザインもPICFAが行っている。

事業者名 PICFA(ピクファ)
代表者 施設長 原田啓之
電話番号 0942-92-2650
本社所在地 佐賀県三養基郡基山町大字宮浦399-1きやま鹿毛医院内

ホームページ

https://ooaza.com/topics/post5442.html

宮島醤油株式会社

2019/10/01

「技術立社」の理念の下、新たな商品を創り続ける

「技術立社」の理念の下、新たな商品を創り続ける、多数のライバル会社が存在する中で皆から愛される商品を生み出している宮島醬油株式会社。その秘密を探るべく話を伺った。

長い歴史で培われた技術を活かす

 宮島醬油株式会社は明治15年に醬油の醸造所として創業した。伝統的な発酵技術を基礎としながら、粉末スープやめんつゆなどの調味料や冷凍食品へと食品製造技術の幅を広げており、今やその商品の数は3500種類を超える。

 ここまで多種多様な商品開発を可能にしたのは、人々のライフスタイルが多様化し、食生活が変化する中で、その時代に何が求められているかを常に考え、技術を磨いてきたからだ。
「今は少子高齢化の時代。これからは蓄積された技術を活かして、各家庭の生活スタイルに合った商品を作っていきたい。」と常務取締役の宮島治さんは語る。

 宮島醬油が開発を進めてきた生産技術は「食品製造加工技術」「調味技術」「充填・包装・殺菌技術」3分野。135年以上、醬油や味噌を作り続ける中で受け継がれた技術に加え、様々な時代のニーズに応えるために磨いてきた確かな技術がここにある。

働きやすい環境を

 宮島治さんは35年間別の会社に勤務していたが、2年前の平成29年に、宮島醬油株式会社の先代の社長だった父が他界したことを機に、家業を手伝うために唐津に戻り、現在は宮島醬油の常務取締役として働いている。

 これまで、働きやすい環境を整備するために、様々な人事制度を見直したり、社内イベントなど、社員間のコミュニケーションの機会を増やすなどをしてきた。宮島さんが提案した新たな賃金制度も運用されているという。現在は人事考課の制度の改正に力を入れており、その内容は業務の成果などに基づいて、社員が公正な評価をされるように改善していく取り組みを行っている。

 アットホームな雰囲気は、前述のような風通しのよい社内制度や様々なイベントをいくつかの部署で協力して行ったりバーベキューをしたりするうちに生まれてきたという。社員間のコミュニケーションを特に大切にしてきた宮島治さんの努力が功を奏し、働きやすい環境が作られている。

去華就実・技術立社

 宮島醬油の社是は「去華就実」。これは外面的な華やかさを捨て、実質あることに専念せよという意味で、創業135年を超える宮島醬油の伝統を支えてきた。この「去華就実」の社是が質素で誠実な社風を作り、消費者の方々からのニーズに応え、信頼を得てきた歴史がある。

 また、従来の技術に頼るだけでなく、「技術立社」として新技術の開発と技術の高度化を常に経営課題として掲げ、その実現に取り組んでいる。技術革新は食品製造技術だけではない。原材料や在庫管理、製造工程の履歴管理、受注から開発・生産・出荷・着荷までの時間短縮といった工程全体にわたる原価削減、一貫性のある品質保証など、幅広い周辺技術を含んでいる。

 「宮島醬油はこの『去華就実』の精神と『技術立社』の姿勢の下に生産管理などを含む広い意味での技術を発展させていく」と宮島治さんは語る。常に新しいものを求める姿勢が宮島醬油という会社を成長させ続ける。

宮島醤油の理想

 宮島醬油の経営ビジョンのうち、幅広い技術によって、多様化する食のニーズに応えること、社員とともに成長し続けることというものがある。食品会社は消費者の方々から寄せられる信頼がなければ存続することができない。このことを理解しているからこそ、多様化した人々のライフスタイルに合わせた商品を考え、それを作ることができるよう日々技術を磨いてきた。また、社員が働きやすい環境づくりを心がけており、学びの機会を提供し、会社の中での成長を実感できるような会社を目指している。賃金制度や人事考課の制度の見直しなどは社員のモチベーションに繋がり、宮島醬油自体の成長を促す。

 宮島醬油が137年という長い間成長し続けることが出来たのは、「去華就実」という言葉に込められた質素で誠実な精神を宮島醬油の根本精神として全員が大切に守り続けたからである。今後も時代に応じたお客様のニーズに合わせた商品作りで信頼を得続けつつ、労働環境の改善により、働きやすい会社にしていく。

サガストEyes 「長く親しまれている商品から新商品まで」

 宮島醬油の数ある商品の中で最大の売り上げを誇るのが粉末状のうどんスープだ。サッとお湯に溶かすだけで本格派のうどんつゆが出来あがるものとなっており、うどんだけでなくチャーハンや野菜炒め、野菜煮込みにも使用できる。パッケージの白とオレンジのストライプで描かれた特徴的なデザインは宮島醬油の137周年記念に行われたイベント「宮フェス」のチラシやイベント時に従業員が着る服にも使われており、宮島醬油を代表する商品だ。

 また、新商品も次々に開発している。近年高まる健康改善効果などの機能を有する食品への二ーズに合わせて2014年に「ミヤジマ紫黒米酢」を商品化。これは佐賀県農業試験研究センターが育種した低アミロース紫黒米「佐賀40号」を用い、その紫黒米由来のアントシアニンを豊富に含んだ純米酢の開発に取り組んだことで生まれた商品だ。水で薄めて普通に飲むのはもちろん、シロップを加えたり、ソーダで割っても美味しく味わうことができる。酸っぱいものが苦手な人でも飲みやすく、幅広い人におすすめできるように考えられている。

取材後記  積み重ねの力

 醬油や味噌などの調味料を主に開発・販売する会社はいくつも存在します。取材前にはそのようなライバル会社が無数ある中で宮島醬油という会社がどのように成長してきたか疑問を持っていました。それに対する答えは長い歴史の中で積み重ねられてきた技術でした。食品製造技術や周辺技術の細かな発展の繰り返しで他の会社にも負けない力をつけていったことが分かりました。

 今回のように企業の方々に取材して記事を書くことは初めてのことで、とても貴重な体験でした。失敗やもっとこうしたほうがよかったと感じたこともありました。しかし、これも一つの経験だと受け止め、次のことに活かしたいと思います。お忙しい中取材に応じてくださった宮島醬油の皆様、本当にありがとうございました。

会社概要

お客様のニーズに合わせた商品を

 宮島醬油株式会社は、1882年(明治15年)に佐賀市唐津市で醬油の醸造所を創業。醤油、味噌などの製造・販売を行っている。137年の間、日本人の食の原点ともいえる醬油・味噌を作り続けている。 伝統に根ざし、技術を磨き、人と時代の声に応えながらさらに美味しく、豊かで、確かな味を求め続けている。伝統発酵技術を基礎としながら、醤油・味噌・食酢・各種ソース・粉末スープ・液体スープ・焼肉のたれ・めんつゆ・ドレッシング・スパイス・缶詰・レトルト食品・冷凍食品・みりん・料理酒へと食品製造技術の幅を広げてきた。

 近年、技術の向上にも力を入れており、その特徴の第一は、食品の品質管理と安全管理。宮島醬油が持つ3つの工場は全てSQF(Safe Quality food)という国際認証を取得している。第二は環境対応で、CO2排出量の削減のため、自家発電機と主なボイラーの燃料を重油から天然ガスに切り替え、石油を殆ど使わなくなった。蛍光灯のLED化、水銀灯の廃止、各種省エネの取り組みも推進している。

事業者名 宮島醤油株式会社
代表者 代表取締役社長 宮島清一
電話番号 0955-73-2151
本社所在地 佐賀県唐津市船宮町2318番地

ホームページ

https://www.miyajima-soy.co.jp/

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