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西研グラフィックス株式会社

2019/10/01

衰退傾向にある新聞業界でどう生き残っていくか

 衰退傾向にある新聞業界で新聞印刷機器の販売を主軸にしている西研グラフィックス株式会社の今後の成長に賭けた戦略。新社長・社員の方々の仕事への情熱に迫る。

自分の力を試したい

 西研グラフィックスは、2018年4月に就任した新社長、並田正太(なみた しょうた)氏の祖父である並田勇(なみた いさむ)氏が、1950年に創業した歴史ある会社だ。並田社長はかつては他社で働いていたが、自分の力を試してみたいと考え先代から継いで新たな舵取りとして活躍している。

 同社は新聞印刷機器の製造を主事業とし、技術色が強い会社だ。しかし、並田正太氏は商学部卒で同社が扱っている機械を設計したり製作したりするような工学的な技術は持ち合わせていなかった。

 そこで並田社長は前職時代に培った営業技術を生かして、国内だけではなく海外に向けた営業部門の仕事を担っている。営業をする上で気を付けていることは、相手方はメーカーとしての製品ではなく、どのような品質・コスト・納期がかかるのかなどの“結果”を見ているという事を意識すること。

 また同社は設計、製造から販売までの全ての工程を取り扱う。このことで営業担当者に寄せられる要望や改善点にすぐに対応することができ、ユーザー目線の製品開発を行うことが可能になるのだ。

ターニングポイントは初めて大きな商談を受注した瞬間

 並田社長のターニングポイントは初めて営業で大きな商談を受注したときの達成感だ。

 製品の特性上、西研グラフィックスではひとつの営業が成功することで動くお金は約4~10億円。普通の企業での営業で成功した場合に動くお金とは比べものにならない。その分達成感も大きい。

 また、並田社長は海外市場へも目を向けて、海外での営業活動も行っている。フィールドは主にインド、中国、東南アジアだ。海外での営業活動は日本とは違い苦労することもある。

 ひとつは、取引の習慣の違いだ。日本ではプロジェクトが丁寧かつ綿密に計画されていくため途中で頓挫することはほとんどないが、海外ではすでに依頼されて動き始めていたプロジェクトでも相手方の都合で急になくなってしまうことがある。また、言葉の問題もある。専門的な技術を説明する場面で使う言葉はあらかじめ用意できるのでそこまで苦労はしないが、同じ国で暮らしているわけではないので世間話の方が意思の疎通が難しいと苦笑いで語った。

仕事の現場より

 パソコン上で2次元、3次元のCADソフトを用いながら製品の設計を行う技術本部の早木龍太郎さん。技術本部は電気設計部と機械設計部とに分かれて仕事をしている。西研グラフィックスでは設計、製造、販売までを一貫しておこなっており、一つの製品に1年から2年をかけて携わる事になる。設計をする段階でミスが起きてしまったらその後の施工にも影響が及んでしまうため、慎重に慎重を重ねて業務に取り組む。一つの仕事に区切りがつき、次の工程に無事に進めた時、達成感とやりがいを感じる瞬間だ。

 総務部の高木勝次さんは、社会の木鐸(世人に警告を発し、教え導く人)としての役目を持った新聞発行を支えている事に誇りを持っている。同時にお納めした機械のトラブルにより新聞発行が滞らないよう社員は緊張感と使命感を持って業務に携わっている、と話す。

 また人事面では、時勢の変化もあり国内で技術のある日本人を採用することが昔より難しくなっている。そこで中国やベトナムから優秀な大学で学んだ人材を受け入れ、社内では従業員の方々が代わる代わる日本語で必要な技術の指導をおこなっている。

次なる展開

 現代はITの進化によるペーパーレス化が進んでいる。新聞という紙媒体を取り扱う西研グラフィックスはどう立ち向かっていくのか。現在の売上のうち、約75%が新聞関連機器の売上によるものだが、今後はさらに加速すると思われるペーパーレス化を見越して、西研グラフィックスでは新聞関連機器の販売以外からの収益を50%にすることを目指している。

 つまり、メンテナンス等のアフターフォローの他に、国内の機械メーカーなどから受注して、材料調達から部品加工、購入、組立、検査まで一貫しておこない、それを同社の製品として責任を持って検品し販売する。このことで製品の品質が担保できる。いわゆる貿易業、サプライチェーン業務を中心として収益を得るつもりだ。

 現在同社は海外市場へも目を向けている。北京には事務所があり、中国では大型輪転機市場でのシェアはNo.1だ。中国やインド、東南アジアの海外企業と貿易をする上で東京よりも各国への距離が近い佐賀で、これからも事業を進めていく。

サガストEyes 「西研グラフィックスの工場へ」

 西研グラフィックスには、設計、製造も自社で行っているのでオフィスに隣接した工場がある。扱う製品は、とても規模が大きいので工場内の天井はとても高い。しかも、輪転機等の製造には建設業と同じ免許が必要だ。工場内には、技術部で見せてもらった3D設計図と色も形も全く同じ機械があった。広い工場内は、夏は暑く、冬が寒い。そのような環境下で真剣に機械の部品と向き合っていたり、何度も動作をチェックしたりして一つ一つの工程を丁寧に作業する社員の方々の姿があった。一方で機械の中には温度管理が必要なものもあり、そんな製品については夏も冬も一定して同じ温度で管理している。

 工場内にさまざまな製造中の機械がある理由は、受注したものも出来る限り断らないため色々な機械が混在しているから。一製品だけの取引も大事にしていることが、同社が国内外でここまで大きな企業になった要因だ。

取材後記  取材を通していろんなことが学べた

 サガストの活動を始める前は自分でスケジュール調整をしたり取材ができるのか不安でした。西研グラフィックスさんの情報をインターネットで探しているうちに段々と興味が沸き、早くお話を聞きに行きたいとわくわくした気持ちに変わりました。

 取材日当日は、たくさんのためになるお話や仕事への情熱を感じることが出来てステキな経験をさせてもらえました。実際に仕事をしているところを見てすごくかっこいいなと思いました。私も将来は西研グラフィックスで働いている方のように、誇りを持てるような職業に就きたいと思います。取材の楽しさも知ることができて参加してよかったです。

会社概要

日本に3社しかない新聞輪転機を扱い、海外へも事業拡大し続けている

 西研グラフィックス株式会社は「技術立社」を合言葉に、新聞・印刷分野における印刷ラインの中核となる輪転機をはじめ、各種周辺機器の開発・製品化を行う。

 日本国内には3社しかない、九州で唯一最大規模、最新鋭のオフセット輪転機量産工場として関係各社より大きな期待が寄せられている。また新聞印刷機器以外にも各種産業機械の開発や各種部品などを、中国を中心とするアジアから輸入・販売することによりグループ全体で事業を拡大している。その他、三次元測定器やスキャナーといった高性能な測定器を使った測定サービスや多関節ロボットを使った自動化装置の提案など新規事業にも積極的に取り組んでいる。

 西研グラフィックスは事務所のすぐ隣に効率化と充実した設備を兼ね備えた工場を構えている。オフィスと工場との連携で受注から生産、販売まで一貫して責任を持っておこなっている。このことは品質、コスト、納期などのあらゆる面でユーザーに満足してもらえる西研グラフィックスの大きな武器となっている。さらに結果をフィードバックし常に製品の改善・改良を行っている。現在は中国・北京にも事務所を置き海外展開も行っている。

事業者名 西研グラフィックス株式会社
代表者 代表取締役社長 並田正太
電話番号 0952-52-8515
本社所在地

佐賀県神埼郡吉野ヶ里町吉田135番地

ホームページ

http://www.seiken-g.com/

株式会社オプティム

2019/10/01

○○ × ITでインターネットを空気に変える

 株式会社オプティムは農業・医療・建設などの様々な分野にAI等の技術を駆使することで、より効率的・生産的な産業の発展を目指す企業だ。佐賀に本店をかまえ、海外にも拠点を置くなど、グローバルな活躍を続ける企業である。

オプティムの創設と自治体の支援

 株式会社オプティム佐賀本店に勤務する取締役の友廣一雄さんが、創業者である菅谷俊二社長と出会ったのは社会人向け教育が行われているビジネススクール(主催:NPO法人鳳雛塾)である。

 銀行員としての勤務経験があった友廣さんは、創業前の菅谷社長と出会い、圧倒的なビジネスプランを有する菅谷社長との出会いに感銘を受けた。

 その後、菅谷社長は、佐賀大学農学部に在学中の2000年に株式会社オプティムを創設した。

 現在は、世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジーやサービスモデルを創り出すことを目的に事業に取り組んでおり、2015年には東証一部に株式上場している。

 今でこそ、多くの分野から注目されているが、起業当時は資金集めが困難であったり、売上もなかなか伸び悩んでいた。そんなときに手を貸してくれたのが佐賀の方々だった。補助金の応募をすすめてくれたり、仕事の依頼を積極的にしてくれたりと温かい支援を受けた。友廣さんはそういった佐賀の方々に感謝したいと話し、そういった恩もあり、拠点を佐賀に置き続け、佐賀に貢献しようという思いをもつ。

○○ × ITで産業の効率化を目指す

 現在株式会社オプティムは○○ × ITで様々な産業との連携をはかっている。金融×ITでは振り込め詐欺対策として、片手にものを持ちながら片手でATMを操作する人をとらえ、監視システムに警告を示すプログラムを作った。これは株式会社佐賀銀行で導入されており、現在も実用化されている。農業×ITでは、空中にドローンを飛ばし、農薬を散布したり、作物の生育状況を把握したりといった作業をさせることにより、人間の負担軽減に役立っている。建設×ITでは、それぞれの機械をどのタイミングでどう動かせば良いのかについて、生産ラインや工事の工程を分析し、見直すことで作業効率を上げる。

 これからも新たな分野との連携を考え、新しいものに挑戦していく。オプティムにはIT関係者だけでなく、松尾建設株式会社や株式会社佐賀銀行の社員、行員など、異なる業種の人々が同じ空間で働いており、なにが生まれるか分からないカオスな場の提供をしている。

フロッグジャンプ

 フロッグジャンプという言葉を知っているだろうか。フロッグジャンプとは、直訳すると「かえるのひとっとび」。新興国が一気に最先端の技術を取り入れ先進国入りしてしまうことを示す。

 友廣さんは、日本が今の環境に満足している間にすぐに新興国に追い抜かれてしまうと話す。友廣さんは世界最貧の地を訪れた際に恥をかいたと言う。現地の方から「お金を知ってる?」と尋ねられると、「物々交換しか知らないだろうから、紙幣を知らないのだろう」と思ってしまったらしい。

 しかし、実は全く違い「自分たちは電子マネーを使っているが、日本はまだお金を使っているらしいが本当なのか?」と言われ驚き、恥じたという。

 アフリカでは、ドローンによって血液パックが輸送されている。株式会社オプティムもドローンを飛ばしているが、日本の場合、目視外飛行は現在禁止されているので、運用面ではまだまだ。

 友廣さんは、海外ではこのような先端技術の活用の場数がどんどん拡大しているので、日本はこのままではまずいと話す。大都市の規制は厳しいからこそ地方で規制緩和を特区的にでも緩和して、海外に負けないように頑張っていきたいと話す。

これからのIT社会

 まもなく第4次産業革命が起きると言われている。農耕・地方社会の工業化・都市化が進んだ第1次産業、鉄鋼・石油・電気など新たな産業が拡大し、電力を使った大量生産が可能になった第2次産業革命、デジタル技術が導入された第3次産業革命に第4次産業革命が続く。第4次産業革命とは、情報通信や医療、教育サービスなどの知識が集約し、AIが主流となる産業構成である。

 友廣さんは、この革命は日本企業にとって、ピンチでもありチャンスでもあると語る。日本においては少子高齢化の影響により、人材の確保が困難を極める。そういった状況でこそ、人間がAIに何を学ばせ社会にどう貢献させるかを導入する余地がある。

 オプティムのフィールドは日本だけに留まらない。友廣さんは「世界がライバル」だと話す。現在も海外の企業と連携して進めている事業がある。今後、このようなグローバルな依頼も増やしていきたいと語る。株式会社オプティムは第4次産業革命を見据え、日本、そして世界に目を向け、着々とピンチをチャンスへ変える準備をしている。

サガストEyes 「学生の受け入れと現在の取り組み」

 株式会社オプティムでは、多くの佐賀大学の学生をアルバイトとして受け入れている。

 2018年、西日本豪雨による土砂崩れが発生した際、学生が安全な場所からドローンで空撮を行い、自治体に被災状況を報告するためのデータを作成するなどの仕事を任せられていた。現状、危険な被災地の現地に被災後間もない時期に自治体の方々が測量のために体を張って業務をしている。それをドローンを飛ばし、安全に簡易的な測量を行うことで代替するものだ。

 また、農薬散布の効率化に役立てるため、植物の葉の虫に食われた部分を記録しデータ取得をする仕事を学生が行うこともある。AIでの画像診断に必要な「アノテーション」という業務だ。これにより、農薬を害虫がいそうな場所にだけ散布することが可能となり、生産者・消費者・環境に優しい農業が実現することができるという。

 更には、スマホでの測量ソフトを学生が開発する場合もある。建設業においては、測量業務は大変な労力が必要なものであるが、それをスマホで撮影するだけで簡易的な測量が可能になるというものだ。

 このように、先端技術の開発の一翼をアルバイトの学生が担っていることは実践教育という面でもとても有益だと思われる。

取材後記  これからのAI社会と人間の共生

 私はサガストの企画の一環として株式会社オプティムについて学びました。オプティムは農業、漁業、医療、建設、販売など様々な産業と連携し、常に新しいことに挑戦していく姿勢が魅力的でした。

 また、第4次産業革命という時代の大きな波をチャンスでもあると捉える強気な姿勢も感じられました。友廣さんがおっしゃっていたように、人間はAIに何を学ばせ、何をさせるのか指示を与える側にならなければならないと思いました、AIから指示を受けるのではなく、人間が主体となりAIをうまく利用がこれからの社会に求められるように思います。

会社概要

「ネットを空気に変える」をコンセプトに〇〇×ITで様々な分野との連携を図り、インターネットの利便性を提供し、産業の発展に貢献する

 株式会社オプティムは、2000年6月8日に創設され、現在海外からの依頼もこなすグローバルなベンチャー企業である。東京都港区に本社を、佐賀市に本店を置くコンピューター・ソフトウェア会社であり、システム開発・販売などを主要事業としている。農業、医療、水産、製造、コールセンターなどの多分野と連携し、敵背うなソリューションを生み出している。ビジネスで使うIoT(モノとインターネット)を含むスマートフォン、タブレット、パソコンなどの様々なネットワークデバイスをクラウド上からまとめて管理し、必要なセキュリティ対策や設定を簡単に行うことができるIoTプラットフォームサービス、その時必要な知識やノウハウ、情報を遠隔から共有する環境を提供するリモートマネージメントサービスなど様々なサービスを提供することにより、インターネットの創造性、利便性を享受できるような事業を展開している。

 今後も連携できる分野を増やしている予定であり、海外との事業の展開も見込まれる。ただ存続することを目的とせず、絶えず「身の丈以上の大きな志」をテーマに、新しいことへ挑戦している。

事業者名 株式会社オプティム
代表者 代表取締役社長 菅谷 俊二
電話番号 0952-41-4277
本社所在地

<東京本社>

東京都港区海岸1丁目2番20号 汐留ビルディング21F

<佐賀本店>

佐賀県佐賀市本庄町1佐賀大学内オプティム ヘッドクォータービル

ホームページ

http://www.optim.co.jp/

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