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ゆたか内科消化器科

2017/10/03

地域に根ざした内科クリニックの認知症予防への思い

ゆたか内科消化器科クリニックでは認知症予防に力を入れている。
なぜ内科のクリニックで、認知症予防?自らも内科医師でありながら、認知症予防に奮闘する中島美和子さんが語る思いとは。

自分にしかできないことを

 大学病院勤務当時、介護老人保健施設勤務の依頼を受けた事を契機に介護に携わり始めた中島さん。
介護保険制度のなかった研修医時代は、全員が公平に必要なサービスが受けられるわけではなかったため、寝たきりのままで関節拘縮や褥瘡※1になってしまう人も多かった。

 そんな時代に中島さんの最愛の祖母が認知症を患った。それまではただの被介護者として接していた人も誰かの大切な人なのだということを再認識し、「大事な人の介護ってなんだろう」と強く考え始めた。

 2000年に介護保険制度ができて介護の現場も大きく変わった。介護士という職種が確立し、そのおかげで寝たきりの方々の日常生活レベルの向上が得られ、関節拘縮・褥瘡を形成する者も大幅に減少。「患者さんとどんな関係になってその人の人生の最後をどんなふうに看取るか」が次のテーマになった。

 その思いは、介護の現場から離れて内科医師として働く今、「介護の現場を知っているドクターとして自分にしかできない関わり方があるのではないか」という課題意識に繋がっている。

※1褥瘡(じょくそう):寝たきりなどで体位変換が行えず、体重で圧迫されている部分の血流が滞ることで、皮膚の一部がただれたり、傷ができてしまう症状

健康なままで、ピンピンコロリ

 ゆたか内科消化器科クリニックは地域に根ざし心のこもった医療サービスを目指して2016年に佐賀市に開院された。

 地域の高齢者と関わる中で「今、介護を受けていない人を介護を受ける側に移したくない」という思いが芽生えてきたのは、介護の現場を知っているドクターだからこそだった。

 介護予防活動がしたい。そのためには限られた診察時間だけでなく、もっと患者さんと関われる時間を増やしたい。その思いからできる範囲の活動としてワンコインで受けられる認知症予防の活動を始めた。中島さんの理想の長寿社会は「ピンピンコロリ」。ピンピンしたままコロンと死ぬこと。それはつまり、ベッドの上で管に繋がれて寿命を伸ばすことではなく、健康的に元気に長生きできる寿命を伸ばすということ。高齢者の割合が目に見えて上昇している現代にとっても、ピンピンコロリの考え方で元気な高齢者が増えれば日本そのものに活気が与えられるはずだ。

介護の現場を知っているドクターとして

 クリニックで行われているトレーニングは、訪れた高齢者のバイタルを測定するところから始まる。次に逆利き手による模写を通して脳を活性化させる。全員が集まったところで、中島さんが現代の高齢化社会の現状とこれからについて講話を行う。昔に比べて今の平均寿命はどれくらい伸びたのか。少子高齢化と言われているが、実際割合として高齢者はどのくらい増えているのか。これまでは、一人の高齢者を三人の労働者で支えていたが、これからの時代の高齢者は何人の労働者に支えられていくことになるのか。高齢者は支えられるままの存在でいいのか。

 その場にいた高齢者は真剣な面持ちで話を聞き、メモを取る人もいた。その後、会話しりとり、タブレットを用いた記憶力のトレーニングを行った。その後、昔のことを思い出すゲームでは「駄菓子」をテーマに話が弾み、幼き日に米兵からもらったチョコレートなどの話など、終始、和気藹々とした雰囲気で講座は進められた。

身近な認知症に向き合う

 「人はいずれ老いるし、その老いを受け止めなければならない。それは、いかに死を意識して生きるかと同義であり、その死への不安を取り除くような介護が理なのだ」と中島さんは語る。そのために大事なことは二つ。一つは認知症の方本人が安心して暮らしていける状態にすること。「忘れても安心して暮らしていけるんだ」と伝わるよう、本人の声にしっかりと耳を傾け、寄り添うこと。

 もう一つは家族が認知症の知識をしっかりと持つこと。業務を行うことを辛く感じる介護者もいるが、認知症についての知識を持っているだけで介護者としての負担が減ることもあるのだという。認知症への漠然とした不安が軽減され、誤解も生じにくくなる。介護の現場を知っているドクターとして自分にしかできない関わり方で認知症予防活動に尽力している中島さん。その活動から今後も目が離せない。

サガストEyes 「福祉を志す若者に」

 「とにかく勉強不足で、現場を知らない人が多い」と中島さんは言う。

 介護に関わらず、仕事とは気づき、問題点を提示し、解決していくものなのに、この“気づき”が無い人が多い。ゆたか内科クリニックではこの気付きの部分を鍛えるために清掃を徹底するところから始めた。落ちているゴミに気づけるかどうか。それが仕事に大いに生きてくるのだという。

 中島さんは最後に、「福祉の仕事はやり甲斐のある職である、これからの日本を担い支える側であるという意識を持って座学・実技ともに、頑張って欲しい」と語った。

取材後記  信念と愛情を持った女性

正直、取材に行くまでは、内科のクリニックで内科の医師が認知症予防をしていることが不思議でたまらなかった。大きく医師という分類として考えていたこともあり、認知症の人が増えたり、体を悪くする人が増えるほうが医師にとっては都合が良いのでは?という考えさえ持っていた。だが、今は違う。中島さんは、患者さんを、医師と患者さんとしての距離より近いものとして接していた。そこには、相手をただの患者さんとしてではなく、一人の人間として尊重する中島さんの強い意志と愛があった。これからの日本の将来を見据え、世の中を変えるべく奮闘する中島さんの中にある信念と愛情。私たち福祉を志す者の鑑だと思った。

(文責:西九州大学1年 栃原 磨衣)

会社概要

地域に根ざした「かかりつけ医」

“きつくて辛い検査を楽に受けていただくこと”をコンセプトとし、2016年に開設された内科クリニック。
一般内科、消化器内科のクリニックでありながら、地域に根ざしたかかりつけ医として認知症予防にも力を入れている。「いつまでも元気で長生きできる健康寿命」を延ばすことに着目し、加齢に伴う生活習慣病の管理及び認知症予防に取り組む。
特に認知症予防については「みつおか式脳若トレーニング」を用いたワンコイン講座として「脳わくわく・若返りトレーニング講座」を開講している。iPad(アイパッド)による楽しい認知機能向上講座で、視覚・聴覚及び指先からの刺激で脳を活性化するもの。行政主催の二次予防教室において高い継続率(84%)を誇り、「楽しくつづく」介護予防プログラムとして高い評価を受けている。

 
事業者名 ゆたか内科消化器科
代表者 中島 裕
電話番号 0952-41-7355
本社所在地 佐賀県佐賀市兵庫南1丁目20-15
ホームページ

http://yutakanaika.com/

株式会社ハットリ工業

2017/10/05

 環境に優しく、豊かな未来に貢献する企業を目指す

世界は常に変わっている。一流の情報を掴み取り、流れに沿っていかなければならない。

社員が安心して働けるために

 株式会社ハットリ工業の代表取締役服部佳良社長は35歳で父親から会社を継いだ。会社を継ぐに当たって肝に銘じた事は、「どのようにして会社の経営を安定させるか。そしてそのための資金繰りをどうするか」。社長の役目は、会社と社員を守ること。父親から受け継いだ会社を自分の代でダメにしたくないという思いと、自分にそれが出来るだけの能力があるという自負もあった。父は大手建設会社の下請けで塗装を請け負う会社として起業した。当時は言われるままに仕事をしていれば不自由ない時代だったが、社会情勢の変化、公共工事の縮小により建設業の冬の時代がやってきた。そこを生き抜くため、元請け依存から抜け出す、仕事の種類を増やす、得意先を広げることなど進めた。
それが現在の四つの柱、土木建築物の補修・補強事業、建築構造物の補修・補強事業、特殊技術・施工事業、環境対策工事事業となった。

アンテナを張るということ

 「一流の情報に触れることがとても大事」と語る服部社長。すでに市場に出回った情報は価値が下がっている。商品そのものの品質や工法では差別化が難しい業界であれば尚更だ。世の中の動きを敏感に感じ取り、他に先んじて取り組みを始めることで、先駆者にしか得られない利点がある。
 例えば塗料の販売。工法によって使用する塗料が指定されることも多く、こうした塗料は一定のエリアごとに販売店が決められる。そのような契約を結ぶことができるかは、どれだけ早い時期に最新の情報に接し、アクションを起こせていたかにも関係する。海外や東京で発された情報が佐賀に届くにはタイムラグがある。

 だからこそ、積極的に情報の発信源に赴いたり業界団体の役職に就いたりして、最新かつ一流の情報を掴むよう努めているのだ。その実績の一つがアスベスト除去技術である。

情報は待っていても来ない!

 かつてアスベストは、耐熱性、絶縁性、保温性に優れ、断熱材、絶縁材、ブレーキライニング材などに古くから用いられ、「奇跡の鉱物」と重宝された。しかし、アスベスト含有製品の生産やアスベストの吹きつけに携わっていた作業者の健康被害は近年の報道の通りだ。欧米諸国でアスベストによる健康被害が社会問題になっていることをいち早く掴んだ服部社長は、他社に先駆けてアスベスト除去工事に取り組み、独自で空中に飛散したアスベストの計測器改良開発し、特許を取得した。
九州においてアスベスト除去工事の先駆者として取り組んだからこその実績だ。情報は来るのを待っていても来ない。上流まで取りにいかなくてはいけない。

人間にしかできないこと

  現在力を入れているのは、橋梁補修補強事業。
高度経済成長期に造られた橋などのインフラの耐久年数は約50年といわれる。まさに今、補強を必要とする時期に差し掛かっている。補強すべき箇所・工法は様々な現場を経験した技術者だからこそ判断できるものであって、新規に造設するより難しい、人の目あっての仕事だ。
仕事で重要なことは、1つ目にアンテナを高く保ち、一流の情報に触れること。2つ目に利率の高い仕事でなくても誠心誠意取り組むことで実績を作り信頼を得ていくこと。その積み重ねが次の仕事に活きてくる。
 様々なテクノロジーが支える現代社会。しかし、時流を掴み新しい提案をするのも、地道な実績を積み信頼関係を築くのも、人間にしかできない。

サガストEyes 未来を見据えた塗料「シンカー」

 

 温度依存性熱変換塗料(シンカー)もまた、他に先んじた取組として注目を集めたものの一つである。徒来の断熱塗料は、建物の内側が涼しくても外側では太陽の光を反射しヒートアイランド現象を起こしていた。シンカーの場合、太陽光の光エネルギーを塗料内部で運動エネルギーに変えることで、放射熱を抑制することに成功。周辺の環境を快適にできる。
 この画期的な塗料の課題点は価格だ。建物内部の環境の快適さは従来の塗料と大差がないために、地球環境や社会貢献に対する意識が高まらない限り、どうしても安価な商品が選ばれてしまう。目先の利益ではなく、社会全体の利益を優先できる人が増えること、そして、国がヒートアイランド現象を抑制するための法律や方策を打ち出せば、塗料の購入価格より、社会貢献を重視してシンカーを選ぶケース人が出てくるかもしれない。
大量生産・大量消費の時代を経て、「共生」がキーワードとなる昨今。シンカーは、「個人の利益>社会の利益」という価値観の変革の先を見据えた塗料といえる。

取材後記  これからの未来に

 

 今回、「サガスト!」で、株式会社ハットリ工業様への取材を通して貴重な体験が出来ました。建設系、工業系という自分の専攻とは関わりの浅い分野は最初は分からない事がたくさんありましたが、事前に頂いたパンフレットやDVDなどで予備知識を得ることが出来ました。
 特に印象に残ったのが、仕事で大事なこと「一流の情報にいち早く触れること」。これからの私たちにも当てはまりしっかり情報を得ないといけないと思いました。取材を受けるまでにも電話対応だったり、今まで自分が避けてきたことをするようになりたくさん不安がありました。そのことで、自分の甘さを知りました。その場での成長で止まらずそれを生かしていかなければならないと痛感します。それに気づかされたのは、「サガスト!」のチームを始め、ハットリ工業様のおかげです。本当にありがとうございました。将来に繋げていきたいと思います。

(文責:西九州大学1年 西嶋 朱莉)

会社概要

人と地球の未来を見つめる

 昭和25年2月 服部俊一氏により、福岡市千代町にて服部塗工店開業。昭和63年7月 服部塗工株式会社を「株式会社ハットリ工業」に社名変更する。
平成4年12月 佐賀県神埼町にショールーム(神埼営業所)開設。耐震補強やコンクリート構造の補修などの土木建造物の補修・補強工事、建築物の補修・補強工事、機械式下地処理工事、そして温度依存性熱変換塗料やアスベスト処理工事などの環境対策工事を行う。
法令の遵守・環境保全・確かな品質をモットーに、個々の自己責任を明確にし、礼節を重んじ、「和」を尊び、日々感謝の溢れる環境と職場を作り、環境循環型企業を目指すことを会社理念としてあげている。

事業者名 株式会社ハットリ工業
代表者 服部 佳良
電話番号 0952-52-2222
本社所在地 佐賀県神埼市神埼町尾崎3810

ホームページ

http://www.hattori-k.net/

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