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株式会社ティックワールド

お客様に寄り添った靴づくりを目指して

 

人の生活を支える要である足。そのような足をサポートする靴と正面から向き合い、様々な工夫を施こしていく姿がティックワールドにあった。

 

「足に優しく人に優しい」靴づくりをコンセプトに

 

 

 

 

 株式会社ティックワールドは、佐賀と福岡を中心に靴工房ジャンボを展開する。佐賀市富士町の大自然の中、「足に優しく人に優しい」靴づくりをコンセプトに靴のデザインから生産、販売まで手がけている企業だ。1992年の設立以降12店舗を展開中。

 創立者である田村繁幸さんは大学卒業後、靴工場に就職した。その後イタリアの老舗紳士靴メーカーを訪れ、靴作りの技術と、靴に対する真剣な思いに大きな衝撃を受ける。いつかここで見たような靴や工場を作りたいという思いを糧に修行を重ね、52歳で神戸の地で開業した。

 最初はデザインのみを行い、他社の工場で靴を作ってもらっていたが、どうしても思い描いた靴が出来なかった。そんな中、阪神大震災が発生する。これを契機に自前の靴工場設立のため神戸を引き払い、自然豊かな佐賀に工場を設立。同時に新しい機械やシステムを導入していった。

 ティックワールドは婦人靴を専門としている、特徴はシンプルなデザインであること、高級素材の本革を使っていること、そして何より履き心地が良く機能性豊かなところである。

 靴だけでなく職場環境にも力を入れている。ティックワールドの工場は従業員を慮って広めに設計されており、ストレスの少ない職場の形成に余念がない。良質なものはよい環境の中で生み出されていく。これは靴づくりだけに留まらないだろう。

 

人とのつながり

 

 取締役社長の安藤眞弓さん。高校生だった当時、流行していたカタカナ職業に憧れてデザイナーになった。東京の専門学校に通うため上京し、卒業後は神戸の靴製造メーカーに就職。そこでのちのティックワールドの創設者である田村繁幸さんに出会った。その後再び東京に戻り靴問屋で靴の修行を重ねたが、元上司であった田村さんが開業すると聞いて合流。株式会社ティックワールドのメンバーとなり、その中で唯一問屋での仕事の経験があったことから、デザイナーではなく店舗の統轄を任せられた。

 しかしこれまでデザインがメインだった安藤さんは、お客様の声が届いていない製作側と、靴のことを詳しく知らない販売側との溝に気づく。そのような社員たちをまとめあげるため心理学などを本から学んだ。さらに社内での情報共有を活発にしようと考え、自ら製作側と販売側を結びつけるパイプ役となり、社員たちのモチベーションを引き上げていった。それが功を奏し、関係は改善。店先でのコミュニケーションを重視し、それらを視野に入れた靴作りを心掛けるようになった。こうしてティックワールドの靴に対する真剣な姿勢と、いかにお客様の心をキャッチするか考え抜く姿勢は、安藤さんの下で確立されたのだ。 

 

機能性の重視

 

 ティックワールドは「機能性」を第一のコンセプトとしている。履き心地を良くするために靴の形状に適した革素材を使用したり、紐やアクセサリーが引っ掛かって転ぶ様なことがないようアクセサリーを少なくしたシンプルなデザインを心がけるなど、常に工夫し続けている。さらに、カラーバリエーションも豊かで、お客様の目も楽しませるところも大きな特徴だ。また、他の靴屋ではなかなか対応できない足型にも対応し、多様なニーズに適した靴の提供にも力を注いでいる。

 靴の役目は足の防護と足の機能のサポート、そして自分を美しく見せることにある。靴は歩く上で欠かせないものなのだ。しかし「近年は着飾るものとしての靴から道具としての靴を求める人々が増えた」と安藤社長は話す。市場には低価格を重視した商品が出回り、さらにインターネットで店に赴かずとも気軽に靴が買えるようになった。道具としての機能性を損なわない良質な靴としての価値を維持しつつ、安価な靴と競合できるかかが今後の課題だ。

 

第二の心臓

 

 足は、足腰に滞りやすい血液を筋収縮によって心臓に送り返すことから「第二の心臓」とも呼ばれており、人が活動するための要であると同時にエネルギーの循環を促進させる要でもあるのだ。通信販売や車社会の普及は、そのような足の機能を奪うようになってきた。

 しかしティックワールドでは、インターネット上での販売を行っているにも関わらず、わざわざ店に足を運んで靴を求めに来る客足があまり変わっていない。それは販売先でのお客様とのコミュニケーションを基本として靴づくりを行い続けた結果だった。ICTやAIなどを中心としたシステムへと塗り替えられつつある社会だからこそ逆に、人の温もりを感じたいと思う人もいるのだろう。これからも「この人と話したいから」、「ここの靴がとても良質で、見た目も良いから」といった理由でやって来る人たちとの交流を第一とした靴づくりや販売を目指す。 ティックワールドの「足に優しく人に優しい」靴づりから今後も目が離せない。

 

サガストEyes 「デザインすることの難しさ」

 

 ここティックワールドでは色々な経歴を持った人が靴を作っている。例えば、元々学習塾の事務をしていた大石絢子さん。大石さんは何かクリエイティブな仕事をしたいと思い身近な物を探っていたところ、当時履いていたティックワールドの靴に興味を持ったのがきっかけ。単身、富士町の工場に赴き、当時社長だった田村さんに経緯を話しここで働きたいとの旨を伝えるとその場で入社決定。当然靴作りの経験は全くなかったが、色々な人から刺激を受け、教えられながら技術を身に付けていった。

 靴づくりは当然デザインから始まる。前述したコンセプトの下、機能性や履き心地を第一に最も適している素材を模索しながら、できるだけシンプルな造りにする。しかしそれだけでは履く人のニーズに応えられているとは言えない。「このシンプルさの中に斬新なアイデアを盛り込み、新しく魅せることが大切で一番難しいところだ」と大石さんは話す。

 

取材後記  素敵な「当たり前」を大切に

 

 これまで私は靴を選ぶときに、安さばかりに気をとられていて、靴の機能性についてはほとんど意識が及びませんでした。今回の取材を経て、日常生活での靴の大切さやそれを支える靴づくりの奥深さなど、たくさんの靴の魅力に気づかされました。靴に限らず、日常生活を支える多くのものが「当たり前」としてそこにあります。しかし、その背景にはつくった方々の情熱、努力、苦労、知恵や工夫といったドラマがありました。

 ティックワールドさんには、「当たり前」の素敵さを教えていただきました。私も今後の学生生活で、自分なりの素敵さをつくり出せるよう、じっくり取り組んでいきたいと思います。

 お忙しい中取材に応じてくださったティックワールドの皆様、本当にありがとうございました。

(文責:西九州大学心理カウンセリング学科1年 徳永 孟士)

 

会社概要

 

コンセプトは「足に優しく人に優しい」靴づくり。大切なのはお客様の声!

 1990年に神戸で開業し、1992年に法人化。開業当初は靴のデザインのみを行い制作を行っていなかったが、理想の靴が作れず、阪神淡路大震災後に神戸を引き払い、佐賀市富士町に工場を設立。本社もそこに移転した。以来、デザイン、生産、販売まで一貫して行っている。富士町の大自然の中、「足に優しく人に優しい」をコンセプトに、、顧客の声を積極的に取り入れた靴作りを心がけている。インターネット上でも靴の販売は行っている。

 
事業者名 株式会社ティックワールド
代表者 田村 繁幸
電話番号 0952-64-2777
本社所在地 佐賀県佐賀市富士町大字上熊川字苗代676-8

ホームページ

http://www.tw-jumbo.co.jp/

 

 

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