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NPO法人 Succa Senca

農家さんへ「ありがとう」

 

 皆さんは食事の時「いただきます」や「ごちそうさまです」を言っていますか?

 私たちの体は食べ物から出来ている。その食べ物を作っているのは農家さんのような生産者だ。私たちの命を作っていると言っても過言ではない農家さんたちに対して「ありがとう」と代弁をしてくれるNPO法人Succa Sencaの稲田諭さんに話を聞いた。

 

農家さんに対して「ありがとう」って言えてない!

 

 

 

 

 稲田さんは大学卒業後、スウェーデンの外資系アパレル企業に就職。当時稲田さんは様々な出店業務を担当していたが、ふと「30代になったらどんなことをしているのだろう」と不安を感じた。

 そこで大学在学時に学んだ上海のバイタリティと、アパレル企業で学んだCSR※1を佐賀に持って帰りたいと一念発起し、佐賀に戻りWEB関係の企業を起ち上げた。

 ある時、WEBサイトの作成を農家さんから依頼され、生産の現場を訪れた。食べ物の裏側、どんな思いで食べ物を作っているか、その人を取り巻く環境を初めて知り、「僕らの命を作ってくれている農家さんに対して『ありがとう』や『ごちそうさまです』って言えてない!」と強く思ったという。

 しかし現状では食べ物の背景が見えない。稲田さんはそれを疑問に思い、農業を切り口とした何か挑戦をしたいと考えた。そして現代表の横尾隆登さんと食べる通信リーグ代表の高橋博之さんに出会い、「これだ!」と感じた。この出会いが、農家さんたちと直接つながる機会を与える「SAGA食べる通信」を生んだのだ。

 

※1:CSR・・・企業が利益追求だけでなく社会貢献も重視するという概念

 

「SAGA食べる通信」

 

 

 

 「食べる通信」は、農家さんたちを特集した情報誌とその方々が作った作物を一緒に読者のもとへ届ける「食べ物付き情報誌」だ。

 スーパーマーケットに行くといつでも好きな野菜を手に入れることが出来る。しかし便利さの裏には、大量生産を強いられる生産者の苦悩があることを知らない。命と向き合い自然と対峙する仕事は、本来効率化できないはずだ。そうした真理に気づかず、我々消費者は安くて美味しい商品を求める。貨幣経済が生じさせた価値観のズレ。果たしてそのまま放っておいていいのか? 「食べる通信」はそうした課題意識から“生産者と消費者をつなぐメディア”として誕生した。佐賀では稲田さんが同じ思いを抱くメンバーと共に、2016年7月「SAGA食べる通信」としてスタートさせた。

 

「農家は食のコンシェルジュ」

 

 

 

 「SAGA食べる通信」では、主にこれからの農業界を担う若手の農家さんを特集している。

 全国で第一次産業の高齢化が課題となる中、佐賀では44歳以下の農家さんが14.7%と全国平均12.4%の1.2倍。他業種とのコラボやWEBの活用など、若いエネルギーが躍動している。

 「SAGA食べる通信」は紙面の見せ方にも強いこだわりがある。スーツをびしっと着こなし、凛々しい表情で写っている表紙の姿はとても農家さんという感じではない。しかしページをめくると本来の作業着の農家さんの姿になる。このギャップのあるデザインによって消費者の方が農家さんに実際にお会いした時にも「あ!表紙の人だ!」とすぐに分かるようになり、加えて一見ファッション雑誌のようなスタイリッシュさも演出している。

 

これからの農業界のために

 

 

 稲田さんが設立したNPO法人SuccaSencaは今後「SAGA食べる通信」の刊行を軸に、日本の食品業界で今問題になっているフードロスを減らすことを考えている。

 野菜を出荷する際、流通の販売規格に合うようにしなければならない。規格に合わないものは調整して出荷する。調整した際に、食べることは出来るが捨てなければならない部分が出てくる。稲田さんは、廃棄部分を使って新たな食品を生み出すことで、生産者の廃棄コストの削減を図ろうとしている。

 このように、農業の第一次(生産)・第二次(製造)・第三(サービス)産業をかけ合わせた「6次産業」は、農作物を生産するだけではなく、それを加工して販売する新しい産業だ。

 これまで廃棄していた部分に新たな価値が見出せるとあって期待は高まる。しかし、農家さんが生産の傍らで、加工品の製造、販路の開拓、商品の販売をすることは難しく、また設備投資にお金がかかるなどの課題も多い。だがこれを軌道に乗せることで農業のイメージをよくすることができる。生産者とともに知恵を出しながら試行錯誤の最中だ。

 

サガストEyes 「SUTEN byプロジェクト」

 

 

 

 NPO法人SuccaSencaではフードロス問題の解決のために、あるプロジェクトを起ち上げた。

 そのプロジェクトはSUTEN by(すてんばい)プロジェクト。この「すてんばい」というのは、佐賀の方言で「すてないよ」という意味だ。

 その中で今開発されている商品の一例としてアスパラを使ったものがある。アスパラは成長が早いために、流通の出荷規格に合わせるには根に近い部分をカットしなくてはならない。農林水産省の調べによると、2011年全国でアスパラが収穫された量は2万8800トン。出荷された量は2万5100トン。収穫して出荷されなかった部分、つまり本来は食べられるにもかかわらず廃棄された部分は3700トンにもなる。その部分に着目した稲田さんはそれをサブレという形で商品化した。稲田さんは、従来の六次化のような縦のつながりではなくほかの業種との横のつながりでこのサブレを作り上げた。これ1つに、アスパラが4キロ使われている。このサブレは塩辛く味付けされており、クリームチーズと合わせて食べるとおいしく、ビールやワインのおつまみにもなる。

 

取材後記  目の前の情報を疑う

 

 

 

 今回、この「サガスト!」を通じて稲田さんを含め、多くの社長さんや社会人の方々と接することが出来ました。稲田さんや他の取材先でお話しさせていただいた方々が、「ある物事に対して、それが正しいかどうかは、実際に会ってお話しするか現場に行って確認するしかない」と口にしていたことが印象的です。それは情報化社会と呼ばれる現代へのアンチテーゼだと思いました。これからますます現代社会はIT化が激しくなっていきます。だからこそ実際に目で見て確認する、感じることはいつの時代でも大切なことだと理解することが出来ました。
お忙しい中取材に応じてくださったSucca Sencaの稲田様、本当にありがとうございました。

(文責:西九州大学1年 永田 栄作)

 

会社概要

 

 

 

真の食育は生産者を知ってもらうこと

NPO法人Succa Sencaは生産者と消費者をつなぐことを最大の目的としている。その一環として、食べ物付き情報誌「SAGA食べる通信」を奇数月に発刊している。「SAGA食べる通信」は縁国で広がる「食べる通信」の第25地区目として2016年7月に創刊した。フードロスの問題についても、農作物の規格外のものを食品化する「Sutenbaiプロジェクト」という企画にて積極的に取り組んでいる。ファンドレイジング事業では、Succa Sencaの活動を支援してくださった方々に対し、佐賀県全域から厳選した食べ物と食卓を彩る品物を返礼する取り組みも行っている。しかしただ返礼するのではなく、その生産者の顔やこだわりをも一緒に送ることで、本物の“おいしい”を味わうことが出来る仕組みを構築している。

 

 
事業者名 NPO法人Succa Senca
代表者 横尾 隆登
電話番号 0952-41-7355
本社所在地 佐賀県佐賀市呉服町2-28

 

ホームページ

https://www.succasenca.org

https://www.sagataberu.com/

 

 

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